独学でゲーム・プログラマになる方法
文責:smoky
2016/11/04 : wrote
長年、ゲーム会社の代表をしていると、
「ゲーム・プログラマになるには、どんな勉強をすればいいですか?」
という質問を耳にタコができるほどされます。
小中学生に聞かれるならまだしも、スマホやPCを好きにさわれる高校生や大学生や社会人に聞かれると、
「聞かなければわからない時点で、適性がないからやめた方がいいよ」
というのが本音なんですが、身も蓋もない回答をするよりは、
「弊社のホームページに書いてありますから、そちらをご覧ください」
の方が建設的だと思い立ちました。
ただ、ゲーム・プログラマになる方法はひとつではないと思うので、ひとつの回答例として参考にしていただければと思います。
また、これは「家庭用ゲーム機向けゲーム・ソフトウェアのプログラマになる方法」であって、それ以外の、スマホやウェブ等のゲーム・プログラマには必ずしも当てはまらないことをご承知ください。
それに加えて、以下の内容はあくまで「家庭用ゲーム機向けゲーム・ソフトウェアのプログラマ」としてスタートラインにつくための条件でもあります。
これだけできれば十分なわけではなく、最低限これだけはできなければ困る「最低ライン」とお考えください。
以下の内容の勉強を、①から順に時系列で進めてください。
①C言語で基本情報処理技術者試験に合格する。(難易度:EASY)
C/C++言語は、家庭用ゲーム機向けゲーム・ソフトウェアのプログラマに必須の技術です。
また、基本情報処理技術者試験に合格して資格が必要という意味ではなくて、合格に必要とされる情報工学の基礎知識はあって当たり前という意味です。
言い換えると、「私はここまでは理解しています」という技術的到達度を、客観的に表す指標として最適だとお考えください。
②
「ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術」を完全に理解する。(難易度:NORMAL)
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ゲームプログラマ志望者にとって必読の書です。
これを読みながら、実際に手を動かして勉強することを推奨します。
高価( 4860円 )で分厚い( 872ページ )本ですが、読み通して決して無駄にはならない内容と量です。
必要に応じて、C++の勉強もします。
③
「3D格闘ゲームプログラミング」を完全に理解する。(難易度:HARD)
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タイトルどおりに、3Dの格闘ゲームの作り方が書かれた本です。
本書を読むと、3Dプログラミングの基礎的なことが理解できると思います。
ただし、本書は既に絶版になって久しく、古本でしか入手できないのと、2007 年に出版された本なので、書かれている内容が最新のPC事情とは変わっています。
本書の内容を今の環境に置き換えて理解する努力が必要になります。
必要に応じて、C++の勉強もします。
④
ゲームを自作してみる。(難易度:Unknown)
どんなものでもかまいません。
自分が好きなゲームの1シーンでもテトリスでも2Dでも3Dでもなんでもかまわないので、いろいろと自分で作ってみてください。
わからないところや理解の浅いところは、②や③に戻って復習するなり、検索して調べるなり、ここまでくれば自力で解決できるハズです。
ゲーム・プログラマになるための勉強ですから、見た目(グラフィック)はショボくても全然問題ありません。
ざっとここまで①~④の内容を、2年ぐらいでやれれば大丈夫です。
早い人でも6ヵ月はかかると思いますが、焦らずたゆまずじっくり楽しんでやってみてください。
途中で挫折することがあっても、進路や適性はゲーム・プログラマだけではありませんので、諦めることも大事ですし、ゲームのプログラミングを趣味にするのも悪くありません。
そして、この4段階をクリアできた人は、勇気を出して弊社に応募してみてください。
採用になるかどうかは、ご本人の理解度や技術的到達度次第ですが、足りない部分があればアドバイスさせていただきます。
それでは、健闘を祈ります。
次回予告:「なぜ、ブラックなゲーム会社が存在するのか?」